『シャーデンフロイデ~他人をひきずり下ろす快感~』

/ 6月 6, 2018/ 未分類

先月のTOPPOINTで紹介されていた『シャーデンフロイデ』を読みました。

「シャーデンフロイデ」は、誰かが失敗した時に、思わず沸き起こってしまう喜びの感情のことで、ドイツ語です。誰しもそういった感情を持ってしまうし、そういった感情を持つ自分自身に自己嫌悪を覚えたりします。

誰かが失敗したとか、ミスを犯したとか、いけないことをした。というニュースがあると、過剰とも思えるぐらいの反応が起こることがあります。自分に直接関係無いことなのに、一大事のように意見をのべたり、怒ったりします。

著著では、そういったことが起こるメカニズムをオキシトシンというホルモンによって説明をしています。オキシトシンは「愛着を形成する」ホルモンであり、誰かとの間に情緒的な特別な絆ができるとき、脳内でオキシトシンが働いているといいます。その一方で、人と人とのつながりが切れてしまいそうになるときにも、オキシトシンがそれを阻止しようします。

子供は成長と共に協調性を持つようになります。(向社会性が高まると言います。)この向社会性を高めるのが、オキシトシンです。そして、社会性が高くなると、合理的な判断がしにくくなったり、反社会的に見える選択を取りづらくなると考えられています。

向社会性が低いと、同調圧力にはあまり左右されず、向社会性が高いと社会や組織の規範を気にするようになります。

オキシトシンの働きによって向社会性が高くなると組織や社会の規範に対する執着が高くなるので、組織や社会の中でルールを守らない人や多くの人と違う行動を取る人を排除しようとするようです。この働きは必ずしも悪いものではなくて、組織や社会を維持するためにはある程度は必要になる働きになります。例えば、ルールを破っている人がいても誰も注意しないような組織は、組織として活動していくことが難しくなります。

「シャーデンフロイデ」もまた、人が社会的であるからこそ発生する感情であり、そういった感情を持たないようにすることは難しいと書かれています。

そうすると自分でコントロールできるのは、そういった感情を持った上で自分がどのように行動するのかになるはずです。社会正義を感じてルールを破る者に強く当たるのか、自分に関係無いと思って無視をするのか。

組織のルールを破る人に過剰に反応する人がいたとしてもオキシトシンの働きによって社会性が高まっている方で、それには意味があるんだ。と思えれば、そこまで悪いことではないのかもしれません。また、自分の価値観と違うからと言って不快に思う必要もないのかもしれません。

著書を読んで「シャーデンフロイデ」が起こる仕組みを知ったことで少しばかり良く生きられるようになったと思います。