『自然からかけ離れた仕組みは悲劇を生みやすい』

/ 1月 26, 2018/ 未分類

株式会社メタップスの社長の佐藤さんが書かれた『お金2.0』を読みました。
同い年で、こんなに頭のいい人がいるのか、と衝撃を受けました。

ビットコイン等の仮想通貨(トークン)とそれに関連したトークンエコノミーについて書かれているのですが、その前段階に書かれている佐藤さんのお金、経済の捉え方、それらの構造の取り出し方がとても素晴らしいと思いました。

一部著書から引用します。

(引用開始)
 経済というもののメカニズムを研究していく中で、経済と最も良く似ていると思ったのが「自然界」でした。
 自然界も私たちが生きている社会の資本主義経済も同じように残酷な世界です。自然界で弱っている生物が一瞬で餌になるのと同様に、資本主義経済も競争力のない個人や企業はすぐに淘汰されてしまいます。(中略)
 個と、種と、環境が、信じられないほどバランスの取れた生態系を作っており、しかも常に最適になるように自動調整されています。(中略)
 「自然が経済に似ている」のではなく、「経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及した」のだということです。歴史から考えても主従が真逆なのです。
(引用終了)

また、資本主義と社会主義を比較して、社会主義が世の中の人に大きな共感を得た思想であったにも関わらずうまくいかなかったのは、自然の構造からかけ離れていたからであり、「自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇を生みやすい」という着想を得た。と書かれています。

自社のサービスを普及させる事を考えた時に、ただそのサービスを欲している人を探して売る。ということのみに注目するのではなく、自社のサービスを普及させるための仕組みや構造を考えること、また、その構造が自然の構造に近いルールにできているか考えてみる必要があります。多くの人の間で価値が循環し、自発的に大きくなるような仕組みが好ましいはずです。

Amazonや楽天などを例に取ると、Amazonや楽天などで物の販売をする企業が増えることで、消費者がより集まり、それによって企業がよりAmazonや楽天に参加するようになる。といった自発的に市場が大きくなる構造を作っていると言えます。
(森がある所に動物が集まって、動物のフンや死骸を肥料として森が大きくなるのに似ています。)

また、組織を考えた時も同様に、自然の構造に近いルールで人の入れ替わりや、ポジションの入れ替わりがあることが長期的に安定した組織を作る上では重要になるのだと思います。

成果を上げている人が評価されていなかったり、成果を上げることができる人が適切なポジションについていないなど、評価やポジションがあまりにも固定化しすぎていると、それに対する揺り戻しで組織に属している者は、流動化を求めるようになります。

一方、流動が激しすぎると、今度はある程度の固定化を求められるようになるはずです。

日本は長い間、終身雇用、年功序列でやってきましたので、最近はそれに対する揺り戻しが起きていて、雇用の流動化を求める声が多くなったり、企業として報酬体系の見直しなど取り組んでいる企業が多い印象です。

自然の中に社会があって、社会の中に人間がいます。(著書ではその先の人間の中に細胞があることまで触れられていますが・・・)

「自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇を生みやすい」

この着想は、仕事にかぎらず、地域の活動やボランティア活動やちょっとした人間関係など、
それぞれの活動を円滑にするためのヒントになる考え方だと思います。