『嫌で大変なことを経験すると人は成長する?』

/ 2月 24, 2018/ 未分類

先日、以下のURL先の東京労働大学の特別講座に参加してきました。
http://www.jil.go.jp/kouza/tokubetsu/20180222/index.html

「働き方改革」がテーマで定員100名が満席でした。「働き方改革」についてはニュースでも取り上げられることが多く、多くの人が興味を持っている分野なんだな。と思いました。

2時間の講義で、そもそもなぜ働き方改革が必要なのか。という話から労働生産性、メンバーシップ型雇用、ジョブ型雇用、長時間労働、イノベーションの必要性などの話しがありました。

講義の中の事例として、ある管理職の話しがあり、それを聞いていて人材教育について考えさせられたので、その話しをご紹介します。

その管理職の方は営業部門の課長さんで、新卒の営業社員の管理・指導をしています。その新卒社員は毎月なかなか営業成績が振るわず、月の売上目標額を達成したことが一度もありません。課長さんは、一度でも月の売上が目標に達成すれば、営業のコツをつかんで仕事がうまくいくようになるだろうと考えています。

ある月末にその新卒社員がもう2、3件案件を取れば売上目標を達成するという状況になりました。課長さんは、自分と一緒に何件が営業に回れば、あと2、3件ならば案件が取れそうだと考えて、新卒社員とともにお客さん周りをすることにします。課長と共に営業をすることで実際に案件が取れ、月の最終営業日にあと1件とったら月の売上目標を達成する状況までになりました。

終業時間は過ぎていたのですが、あと1件取れたら初めて売上目標を達成するということで、課長は新入社員に、

「あと1件一緒にお客様先に行こう。」

と言いました。
それに対する新入社員の返答は、

「私はワークライフバランスを大事にしているので、定時になったので帰ります。」

課長さんは、新入社員の返答にがっかりしてしまいます。

上記の事例を受けて、講師の方は「人材育成において、ある時期、集中して仕事に取り組んだ方がいい場合がある。その期間は、一時的に長時間労働になる。これは、積極的に容認すべきだと考える。」と話を続けられていました。

働き方改革だと言って、時間外労働がすべて悪い。という風潮になっているのはおかしいという視点で、本当にその通りだと思います。

ただ、教育的に重要だということで上司が部下に対して集中して仕事に取り組むように命令しても、部下が事例での新入社員の様に、目標達成することよりも定時に帰ることが重要だ。という価値観を持っていれば教育の効果は高くないはずです。

これは教育感の話になるのですが、嫌なことや大変なことを経験すると成長できる。という考えを持っている人がいると、あえて嫌なことや大変なことを教育するために課すことがあるように思います。

人は仕事上で嫌なことや大変なことを経験すると成長するという傾向はあると思います。仕事としてやらなければならないことをやる中で、結果的に嫌なことや大変なことを経験し、それを踏まえて成長していく。というのは分かるのですが、成長させるためにあえて嫌なことや大変なことを経験させる。という風な教育感を持つべきではないです。

多くの人が意識的にか、無意識的にはそういった教育感を持っているような気がします。私自身も大変な仕事を部下に頼まなければいけない時に、「それがあなたの成長につながるからさ。」と言ったことが過去にあります。どうせやらなければいけないのであれば、少しでもポジティブにやらなければいけないことを受け取って欲しいという気持ちから言っているのですが、線引きは難しいです。

そういった教育感は、ちょっと古い教育感というか、もう21世紀に入ってけっこう経っているのだから新しい労働教育感が必要だし、求められていると思うのです。

今回の「働き方改革」のセミナーの本旨ではない部分だったのですが、働き方を改革する時に、まずは人材育成における既存の教育感を変えていく必要があるのではないかと強く気付かされるセミナーでした。