『初任給には差をつけた方が良い?』

/ 3月 3, 2018/ 未分類

2018年2月28日の日経新聞に『「初任給に差」広がる』という記事でメルカリ、サイバーエージェントの記事がでていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27456920X20C18A2TJ1000/

メルカリは学生に1ヵ月以上の期間で実社員と同じ業務(インターンシップ)を経験してもらい、入社した場合には実績に応じて初任給に数十万から100万円強を上乗せする。インターンに参加しない学生は論文や学業の成績に応じて評価する。

サイバーエージェントは4月以降に入社するエンジニア職を対象に、一律の初任給制度を廃止する。人口知能(AI)などの高度が技術を持つ学生には、最低720万円の年棒を提示する。

記事では、初任給に差をつける企業が増えてきたのは、企業が売り手市場で人材採用に苦労しているためだ。という風に書いているのですが、おそらく理由はそれだけではないと思います。

元々新卒採用で給与が一律であった理由は、入社時で学生はどこの部署に配属されるか決まっておらず、入社後の研修などを経た上で適正を見られて配属が決まっていました。

基本的には入社段階で仕事が決まっていない学生がほとんどなわけです。

一方、上記のメルカリとサイバーエージェントの記事を見ると、メルカリは1ヵ月以上のインターンを体験させて、その実績に応じて給与を決める。ということであれば、当然インターンで経験した仕事の延長の仕事を行うはずです。

サイバーエージェントも同様に高度な技術を持つ学生には、初任給を変えるということですが、当然、その学生が持っている高度な技術を活用できる仕事をさせるはずです。

ジョブ型雇用と言われるのですが、職務をある程度限定して採用するのであれば、その職務の重要度、その職務を遂行するための能力に応じて給与を決めることになるので初任給に差をつけることが可能です。なぜ、初任給に差があるのか、他の社員に聞かれたとしても職務の重要度と職務遂行能力によって決まったと言えば納得するはずです。

日本の新卒採用ではジョブ型雇用をするケースは今まで少なく、ほとんどの企業がメンバーシップ型雇用をしていました。メンバーシップ型雇用は何の仕事をするか限定せずに採用する方法で、学生の方も自分の仕事を決めるのではなく、どの会社で働くのかを決める方法です。そのため入社時には給与に差をつけることができません。重要な仕事を任せるかどうかも分からないうちから給与を決めることはできません。

新卒採用で、ジョブ型雇用をする(給与に差をつける)ためにはメルカリのようにインターンを実施して実際の業務を行わせてみるか。サイバーエージェントのように特殊な技術を持っている方のみ対象とするしかないと思います。また、制度変更への抵抗も組織によってはあるでしょう。長年新卒一括採用、初任給同額の制度を敷いてきた会社であれば、先輩社員からの不満も出てくると思います。すぐに新卒一括採用が無くなるわけではないので、一部ジョブ型雇用を行って給与に差をつけることの意義を組織に周知させていかなければなりません。元々実力主義や成果主義の社風がある会社は取り組みやすいかもしれません。

10年後には、インターンを経由してのジョブ型雇用というのがかなり普及すると思います。インターンを経験した会社に雇用されるのではなくてもインターンで経験したことを新卒採用でアピールすることでインターンを経験していない会社でもジョブ型で学生を雇用するようになるはずです。

企業側は新卒採用において一部ジョブ型採用を導入する企業が増えてくるはずです。同時にインターンシップへの取り組みも重要になります。

学生側は自分の仕事を自分で決める必要が出てきます。メンバーシップ型雇用では、会社から与えられた仕事が自分の仕事になりますが、ジョブ型雇用では、自分がこれを専門にしようと決めた仕事が自分の仕事になります。自分の仕事を決める上でも大学在学中のインターンシップへの取り組みは重要です。

ジョブ型雇用での採用であり、社内で実力主義、成果主義的な文化があるのであれば初任給に差をつけるは、有能な人材の採用に有効だと思います。そうでなければ初任給に差をつけることは組織内のトラブルの元になるかもしれません。

世の中的には、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に採用方法が変わっていくと思うので、どこかのタイミングでは多くの会社が初任給に差を設ける制度を導入することになると思います。